wet-to-dry’s blog

京大大学院生の備忘録ブログ

大学にMinIONの会社の人が販促に来たので話を聞いてみた。

今話題のポータブル次世代シーケンサー「MinION」。

そのMinIONを作っているoxford nanoporeの方が、大学に来て最新の情報を披露してくれました。

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MinIONは2014年にベータ版がでて以来、その性能を飛躍的に向上しているシーケンサーで、その携帯性や読むことの出来るリードの長さから、医療や研究に大いに役立つと期待されています。

 

どんなものかは公式ホームページ

nanoporetech.com

で確認してもらうとして、今回はweb上では得られにくいようなプラクティカルな面を書いていきます。

 

1.ベースコール精度

ホームページにはベースコール99%!とか書いてありますが、実際のところどうなのか。

会社の方曰く95~97%位らしいです。

ただ、nanoporeは日本に3人しか担当者がいないらしく、人材不足真っただ中らしいので、ホームページとの間にラグがあるかもしれません。

 

2.読めるリードの最大長

MinIONの平均的なリード長は8~10kbくらいだそうですが、950kbを記録した人もいるそうです。

 

 3.バーコーディングkitの実用性

12サンプルを一気にシーケンシングできると謳われているバーコーディングシステム。

サンプルリードにバーコードタグをライゲーションして他のリードと判別できるようにするらしいのですが、そのライゲーション高率は実は30%程らしいです。

なので、もともとのDNA/RNAプールが十分にないと、detectできない、ということになりかねないといっていました。

まずはバーコーディングせずに普通のシーケンスをすることを勧めていらっしゃいました。

 

4.ショートリードは読めるか

個人的に、ChIP-seqを行ないたかったので、200~300bpのフラグメントは読めるかどうか、またアラインメントできるかどうかを聞いてみました。

 会社の方曰く、200bp~300bpはマッピング精度があまり高くないため、500bp以上のリードの使用を勧める、ということでした。残念!

しかし、ベースコールの正確性は今後向上することが期待されるということだったので、今後に期待ですね!

 

以上、簡単にまとめました。

また、自分でも論文など読んで情報発信していけたらいいな~と思っています。