wet-to-dry’s blog

京大大学院生の備忘録ブログ

Nanopore技術の今(191127)

ご無沙汰してます。

 

ONT(Oxford Nanopore Technology)の新しい論文がいくつか出ているので紹介させていただきます。

 

まずこれ

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/837542v1

MinIONデバイスでタンパク質を読むことで、タンパク質の違いを検出することができたという論文です。

Nanopore社は前から言ってましたが、タンパク質のシーケンシングができるようになる日も近いですね。

 

 

次にこれ

https://www.nature.com/articles/s41598-019-51470-9#disqus_thread

マウスのトランスクリプトームをNanoporeとIlluminaで読んでみて、比べた論文です。

RNAをdirect seqcencingした場合は、Illuminaと互角の精度を出したらしいです。

ただ、cDNAをPCRによって増幅したものは、dT配列がRNAの内部のpoly dT部分に結合してしまい、mRNAの後半部分を多く検出してしまう傾向があったらしいです。

nanopore社も、RT-PCR過程を検討しなおす必要がありそうですね。

 

 

最後はこれ

https://www.nature.com/articles/s41467-019-11713-9

RNAの修飾m6AをGridIONで検出できたという論文です。

m6A修飾酵素をノックアウトした酵母を用いて、m6Aを検出できたとしています。

アデニンのはずがエラーとして検出される、と言っているため、アルゴリズムを決めることができたわけではないですが、、、

 

ちなみに、この人たちが、METTL3ノックダウンのヒト細胞を使って、新しいアルゴリズムを決めてくれたらしいです。

 https://www.biorxiv.org/content/10.1101/843136v1

 

他にも、DNAのCpGメチル化を見てる人や、マウスのbiopsy細胞をジェノタイプしている人など色々いて、とてもホットなんだなと思います。

 

以上、僕が気になったNanopore関連の論文でした。